顧客とのアポイントは上手にとれていますか?
もしあなたが、アポイントを難なくとれているのであれば、ここから先は読む必要はありません。
この記事を読み飛ばして、次の『【営業の基本】アプローチで短時間で信頼関係を築いて次のアポイントにつなげる方法』から読み始めてください。
もし、あなたがアポイントをとることに苦戦しているのであれば、『アポイントをとるための3つのコツ』という、あなたのための記事を書きましたので、ぜひ読み進めてくださいね。
営業マンの仕事は『起商探客(きしょうたんきゃく)』であると言われています。
某大手営業会社の中の営業教育で頻繁に使われているコトバで『顧客を探して商談を立ち上げることが営業マンの仕事である』という意味だそうです。
営業マンに高い報酬が払われている場合、その報酬は『起商』と『探客』に対して支払われていると言われています。
今回のテーマであるアポイント=『起商』です。
今回は、コツだけではなく、実際に私が現在現場で使っているアポイントをとるための【台本】を紹介していますので、楽しみに読んでみてください。
アポイントを増やせば売り上げがあがる

どれだけキレのあるセールストークを持っていても、誰もが欲しがる商品を持っていたとしても、アポイントが入らなければ、売り上げは上がりません。
逆に言うと、ちょっとくらいトークが不完全でも、アポさえたくさん入れることができれば売り上げは上がるということですね。
営業マンの業績はアポイントの数で決まると言っても過言であありません。
マーケットによっては少ないアポイント数で大きな売り上げを上げることが出来るようになりますが、それはまた一つ上のレベルの話なので、今回は割愛します。
とにかく、アポイントは多ければ多いほどいいです。
『量質転換』というコトバがあるように、どんなに商談の質が低かろうと、とにかく大量のアポイントをこなすことで、商談の質は上がっていきます。
私の前職の同僚に、商談がむちゃくちゃ下手くそで、何をしゃべっているか理解に苦しむほどの営業マンがいました。
活舌も悪いし、話の論点もずれるし、分かりやすく説明もできないし、笑いもとれない。
人間的にはすごく温かみがあってイイ人でしたよ。
その彼は、商談が下手な代わりに、毎日のアポイントをびっしり埋めていました。
1日に5~7件の新規面談が入っており、朝から晩まで商談をしていました。
肉体的にも精神的にもかなりしんどかったはずです。
ゴールのないマラソンを走っているようなもんですから。
その彼は、初めの2年間は全く鳴かず飛ばずで、本人は「僕には才能がないから量でカバーするしかない」と言って、投げ出さずに黙々とアポイントを入れては、淡々とこなしていました。
そして3年目になって、量質転換が起こってブレイクし始めました。
2年間の中で、自分自身でいろいろと試行錯誤していたんだと思います。
商談は、基本とは全く異なるものでしたが、彼自身のオリジナルの商談スタイルを確立していました。
そして彼は、今ではその会社の全営業マンの中で、トップ5%に入るほどの稼ぎ頭になっています。
その彼を見て、『量質転換』というコトバが本当なんだと腹落ちしました。
アポイントが入っていると商談に余裕を持てる

アポイントが少ない営業マンは、やっとの思いでとれたアポイントを逃すまいと、あの手この手を使って成約に結び付けようとしてしまします。
「なんとか成約にもっていきたい」という気持ちがコトバの端々に出てしまい、それに気づいた顧客はどんどん離れていってしまいます。
それでも逃すまいと営業マンが追いかければ追いかけるほど、顧客は逃げていき、最悪の場合は顧客との関係を悪化させてしまいます。
あなたにも、こんな経験ありませんか?
売れなかった頃の私がまさにそうでした。
あなたが顧客の立場だったら、余裕のない欲しがり営業マンから何かを買おうとは思いませんよね?
アポイントの多さは、営業マンの心に余裕を生みます。
「もしこれが決まらなくても、あっちの案件があるから大丈夫だろう」
余裕があると、成約を急がないので、顧客の話にじっくりと耳を傾けることができます。
余裕をもった商談をするためにはアポイントの多さは重要です。
アポイントをとる3つのコツ

では、ここからは実際にどのようにしてアポイントを取るかを具体的にお話していきます。
アポイントのとり方はいろいろありますが、電話でも対面でもメールでも、手段が何だとしてもアポイントのとり方の根本は変わりません。
ただ、ひとつ言っておくとしたら、アポイントがとれる確率は
①対面
②電話
③文面(メール、LINE、FBメッセンジャーなど)
の順に下がっていきます。
なぜこうなるかと言うと理由は簡単で、対面だと顧客が断りにくく、文面だと断りやすいからです。
「対面や電話で断られると精神的なダメージが大きいから」という理由でメールやLINEでアポイントをとろうとする人がいますが、断られたくなければ対面か電話でアポをとった方がいいと思います。
実際に私も、ほとんどのアポイントを対面でとっています。
アポイントのとり方にはコツがあります。
そのコツさえ押さえていれば、明日からのアポどりですぐに成果が出せるかもしれませんよ。
アポイントをとることだけに専念する

電話でも対面でも、アポイントをとろうと思ったら、「アポイントをとることだけ」に集中します。
商品の説明とか、会社の説明など、ダラダラと話す必要は一切ありません。
必要最低限の情報だけを与えてアポイントの承諾を獲得しましょう。
顧客がアポイントを承諾するハードルを下げるために、アポイントの時間を短く設定する(15分がベスト)というところだけは押さえておきましょう。
アポイントの時間が短ければ短いほど、アポイントの承諾は得やすいとは思いますが、アポをとっても伝えられる情報が少なくなっていきます。
商談のクオリティを落とさず、顧客の心理的に承諾しやすい時間が15分だと言われています。
アポイントをとるときに「15分だけお時間を下さい」ということを必ず伝えましょう。
第三者の影響力を使う

人は、第三者の影響力に弱いものです。
あなたもネットショッピングやグルメサイトなどで、口コミや評価を参考にしたことはありませんか?
昨今では、この口コミ評価というのが購買の決定に大きく関係してくると言われています。
そこで、アポイントをとる際に、
「○○様と同じような子育て中のママから最も支持されている商品です」
「御社と同じ業界で同規模の企業様からも、このように喜んでいただいています」
など、顧客と同属性の人や会社から支持されていることを伝えましょう。
対面であれば、お客様の声を実名入り・写真入りで見せればぐっと信ぴょう性が増しますね。
こうしてビジュアルに訴えることが出来る点も、対面が有利ですね。
もし、顧客の紹介でアポイントをとる場合は、全力で紹介者の影響力を使わせてもらいましょう。
営業マンであるあなたが商品について語るよりも、紹介者に話してもらった方が何倍も伝わります。
フックをかける

顧客に「そういう話だったら話だけでも聞いてみようかな」と思ってもらうためには、顧客の興味を持ちそうな話題をつかって顧客の心を引き付ける必要があります。
このフックをかけるために使うトークは、あなたの商品を持つことによって顧客が得られる未来について話すことが大切です。
このフックをかけるということに関しては、以前『保険営業にはコツがあります!フックをかければその後の商談がうまくいく!』という記事で詳しく書いています。
保険絵営業マン向けに書いた記事ですが、業界が違っていても考え方は同じなので、ぜひ読んでみてください。
スクリプト(台本)

前述した3つのコツを使って、実際に私が行っているアポイントのトークスクリプト(台本)を掲載しておきます。
【3つのコツ】
①アポイントをとることだけに集中する
②第三者の影響力を使う
③フックをかける
ーーーーーTELアポスクリプト(紹介先への電話)ーーーーー

もしもし、はじめまして。○○会社のマルと申します。△△さんでいらっしますか?ご友人のAさんからのご紹介でお電話させて頂きました。今少しだけお時間よろしいですか?

はい。ちょっとだけなら…

ありがとうございます。ご友人のAさんから、とても素敵な方だから、会うだけですごく勉強になるからとご紹介いただきまして、ぜひお会いしたいと思ってご連絡させて頂いたんですが、Aさんから連絡あってますよね?(第三者の影響力)
【Aパターン】
顧客「はい、聞いてます」→マル「うわぁ~よかったです!とっても素敵な方だと聞いてましたが、声だけで素敵な方だってことが分かりますね!声も素敵です…」(※くすっと笑いをとるくらい大げさに)
【Bパターン】
顧客「いいえ、全然聞いてませんけど」→マル「えぇ~っ!!!あれだけ電話してくれるって言ってたのに、おかしいな~!メールも来てないですか?えぇ~っ!!すみません、順番が前後してしまいまして。」(※くすっと笑いをとるくらい大げさに)

今回お電話したのが、以前Aさんに当社のサービスの話をしたところ、大変喜んでいただき、こんな話だったらぜひ○○さんにも!ということでお電話しました。
くだらない話はしません。お時間も15分だけいただければ結構です。
Aさんが喜んでくれたからと言って、○○さんが買わなければいけないという義務も義理もありませんので、必要なければそう思った時点で断って頂ければ結構です。
もしそういったお時間をお取り頂けるとしたら、例えば今週の木曜日の14時と、金曜日の19時だったらどちらの方がご都合よろしいでしょうか?
ーーーーースクリプトここまでーーーーー
スクリプトを見ると、商品の話や会社の話など、余計な話は一切せずにアポイントをとることだけに集中していますよね。
最後は「あたかもアポイントがとれることが前提」という態度で、選択型(二者択一)の質問で締めます。
間違っても、「いつがご都合よろしいですか?」なんて聞いちゃダメですよ。
・顧客がヒマな時に話を聴いてもらう
のではなく
・顧客に時間をつくってでも聴いてもらう
のです。
営業マンの話を聴いて利益を得るのは顧客なのですから当然ですよね?
『やさしすぎる営業マンが持つべきマインドセットのつくり方』で話した4つの自信がしっかり形成されていればわかって頂けると思います。
まだ読んでいない方はぜひ読んでみてくださいね。
このトークスクリプトは、紹介してもらった先へのアポどりを想定していますが、紹介ではなく飛び込みで会ったお客様だと紹介者の影響力が使えませんよね。
飛び込みのように、紹介者の影響力を使えない場合は、『飲食店の経営者の皆様に、大変喜んで頂いている…』のように、相手と同じ属性の人から支持されていることを強調しましょう。
このスクリプトをご自身に置き換えて使ってもらうと、アポイントの入り方が変わってくるのではないかと思います。
まとめ

いかがでしたか?
はじめはもしかしたらうまくいかないかもしれません。
でも、あきらめたり、スクリプトのせいにはしないでください。
うまくいく方法でも、それを使う人の能力や経験値によって、うまくいかないケースもあります。
それでも試し続けることによって、あなたの経験値が上がり、相手に伝わりやすくなっていきます。
私は今でもこのトークスクリプトを使って、アポイントをとっています。
自分なりのトークスクリプトができて、実際に現場でアポイントがとれたら、次はアプローチです!『【営業の基本】アプローチで短時間で信頼関係を築いて次のアポイントにつなげる方法』
ひとつずつ、自分の営業に反映していきましょうね(^^)
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