
クロージングが苦手です。
売り込んでる感じにストレスを感じるし、応酬話法で相手を説得するなんて、気の弱い私にはできません。
上手なクロージング方法があったら教えて!
こんな方に記事を書いています。
クロージングは、いかにも「売り込むぞ!」というイメージがあるためか、苦手意識を感じる人が多いですね。
顧客を言いくるめて、NO!をムリヤリYES!にひっくり返すイメージ。
私も昔からクロージングは苦手で、顧客から

今回は見送ります。

ちょっと前向きに検討しておきますね。
と言われたら、

ぜひご検討ください!(汗)
とクロージングをせずに帰ってきたことは、数えきれないほどにあります。
「前向きに検討します」なんて、ほとんどの場合は検討されませんから、体のいい断り文句なんですよね。
商談後、顧客からの決断の連絡を待ってみても、待てど暮らせど連絡がない。
こちらから連絡しようにも、

断られたら嫌だな…
返答を急かして”欲しがり営業マン”だと思われてもイヤだな
と思って結局連絡できない。できればこんな状況は避けたいですよね。
顧客にも営業マンにも心理的な負担がないようにクロージングをかけるには、
- 小さなクロージングを積み重ねる
- 顧客に選択させる
の2点が重要になってきます。
今回は、私のように押しが弱い営業マンに向けて、『強いクロージングをかけなくても成約につながるクロージングのコツ』についてご紹介します。
クロージングは重要ではない
最初に言っておきますが、クロージングが成約率に及ぼす影響はほとんどありません。

えっ?そうなの?
一昔前は、クロージング至上主義の時代だったのをご存知ですか?
今ほどインターネットが普及しておらず、顧客は営業マンからの情報でしか判断できませんでした。
なので、「いかに顧客を言いくるめるか」「いかに NO!をYES!にひっくり返すことができるか」というクロージングトークばかりが研究されていたんです。
しかし現在では、インターネットでたくさんの情報を手に入れることができるようになりました。
なので、顧客には買う先がたくさんあるために「目の前の営業マンから買う理由」がなければ成約に至らない可能性が高いです。
図のように、セールスプロセスの入口に近いほど重要度が高く、クロージングが成約に及ぼす影響は小さくなっています。
クロージングの前に顧客の意志は決まっている
多くの場合クロージングの前に、顧客の意志は決まっています。
なので、営業マンが力を入れるポイントはクロージングではありません。
営業マンが最も力を入れるべきは、初回の面談(アプローチ)やヒアリングです。
アプローチで顧客とがっちり信頼関係を築き、ヒアリングで顧客のニーズを引き出す。
あとは希望の未来をかなえるための商品を提案するだけで、顧客みずから「欲しい!」と言ってくれます。強いクロージングは不要なんです。
アプローチとヒアリングについては、以下の記事で紹介していますのでそちらを見てみてくださいね。
≫顧客と何を話せばいいかわからない!短時間で信頼関係を築くアプローチの原則

≫ヒアリングは聴くだけじゃだめ!顧客の本当のニーズを引き出して成約率を上げる方法

クロージングは意志の確認だけ
営業マンのクロージングは顧客に意志を確認する程度で構いません。
プレゼンが終わった時には顧客の意志は決まっていますからね。

説明は以上です。いかがいたしますか?
もし、顧客が「買わない」決断をした場合、最後にいくら売り込みをかけても、顧客の決断を覆すことはできません。
なので、断られてしまった場合は、アプローチかヒアリングなどのセールスプロセスに目を向けて改善しましょう。
「どうしたら、顧客に負担をかけずに成約までスムーズに進むことができるのか?」というのは、以下の2点に気をつければ大丈夫です。
- 小さなYES!を積み重ねる
- AとBから選ばせる
ここからは私がやっている『顧客に負担をかけないクロージングの2つのコツ』について書いていきます。
押しが弱くても大丈夫!クロージングのコツ
小さなYESを積み重ねる
クロージングの段階で論点を「購入する」「購入しない」だけにしておくためには、そのほかの考えるべき点については全て結論を出しておく必要があります。
具体的には、プレゼンテーションの中で、

家族でキャンプに行かれるのであれば、荷物のスペースはこれくらいあった方がいいと思いますがいかがですか?

そうですね(Yes!)

小さいお子様もいらっしゃるので乗り降りがラクな電動ドアが便利だと思いますがいかがですか?

そうですね(Yes!)
こんな風に、顧客の同意を得て小さなYes!を積み上げていきます。
考えるべき全てのことにYes!を積み重ねていくと、最終的に顧客が決断する時に反対意見が出づらくなります。全て確認の上で、最後の意思確認をしますからね。
最後の決断では、買うか買わないかの2択だけになるので、顧客を迷わせません。
AとBから選ばせる
「購入するか、しないか」の2択に絞る方法に加えて、「Aを購入する」か「Bを購入する」か、という選択肢の絞り方も効果的です。

AとBだったらどちらがいいですか?

じゃぁBで!
選択肢を用意して顧客に選んでもらった場合、顧客は「売り込まれた」という感覚よりも、「自分で選んだ」という感覚が強くなり、心理的負担が圧倒的に軽いです。
ここで用意する選択肢としては、
- A:高価だが支払うことができれば最高のモノ
- B:Aよりスペックは劣るが、手が届くモノ
の2つがいいでしょう。
Aは、予算的に少し頑張らないと買えないくらいのモノでよいです。
全く見当の余地もないようなバカ高いモノでもダメですよ。
あまりに高いモノは自分がゴトとして話を聞けないので、プレゼンテーション自体が上の空になってしまします。

ホントはこれがいいんだけど、予算がなぁ~…
くらいがちょうどいいです。
Bは、顧客の予算内で要望にこたえられるモノにしましょう。
押しが弱いなら、押さなくていい商談を
今回の話をまとめると、
- 強いクロージングは必要ない
- 顧客の意志はクロージングの前に決まっている
- 小さなYESを積み重ねる
- AとBから選ばせる
というお話でした。
ちなみに、クロージングしてみて「考えます」「検討します」と言われたら

ありがとうございます。
考えるというのは具体的に何を考えられますか?
と切り返してください。
具体的に考えるべき事項があれば、一緒に考えてあげて、再度意志の確認をします。
もし、どうしようもない理由や、断り文句が出てきた場合は「元々私の見込み客ではなかった」と考えて、さっさと見切りをつけましょう。
イチバンやってはならないのが「結論が出ない状態」を続けることです。
もし、相手が決断を先延ばしにしようとする場合は、

それでは今回は見送られるということでよろしいですか?
と、必ずYESかNOの意志を確認してください。
来ることのない決断の日をいつまでも待つことになりますし、もし先延ばしにして顧客が後悔するような事態になれば、営業マンにも少し責任が出てきます。

なんであの時きちんとススメてくれなかったんだろう…
ちなみに私は、自分から

NOならNOと言ってくださいね。お互いに忙しい身なので早い段階で断って頂けた方がむしろありがたいです
ということを伝えています。
意志をはっきり言っておくと「考えます」という、あいまいな返答は帰ってきません。
相手は自分を映す鏡である
とよく言われますが、顧客がはっきりとした決断をしないのは、営業マンがハッキリした態度で商談に臨んでないこともひとつの理由だと思っています。
押しは弱くても意志はハッキリと商談に臨みましょうね!
押しが弱い営業マン向けに、「売らなくても売れる営業手法」をお伝えしています。
よければそちらも読んでみてくださいね。


コメント