アポイント後の初めての訪問って緊張しますよね。
「せっかくとれたアポだから逃したくない!」
と思えば思うほど緊張してしまって、空回りしてしまった経験が私にもあります。
私の初めての面談はこんな感じ↓
とりあえず定型の挨拶は交わしたものの、そのあと何を話していいのか分からない…
とりあえず天気の話とかしてみるけど盛り上がらず。
「じゃぁ早速なんですけど」と本題を切り出してみても、温まっていない冷たい空気の中で一方的に自分の声だけがこだまする…
帰るころには脇汗ぐっしょり…
これじゃ、決まるものも決まりませんよね。
お客様は大切な時間を割いて営業マンに会おうとしてくれています。なので、基本的に「新人だからうまく話せません」なんて通用しないと思って下さい。
「緊張するな!」とは言いませんが、せっかくの面談の時間を、双方にとって価値のある時間にできるように面談の準備をしておきましょう。
今回は、そんな新人営業マンの皆さんに向けて「初回面談(アプローチ)でやるべきこと」について書いていきます。
アプローチでやるべき2つのこと

初回面談のゴールは「次に会う約束をする」ことです。
次のアポをとることができなければ、そこで商談が打ち切りになってしまいますからね。
もし、初回の面談で核心にせまる話が出来ていなくても、「では具体的な内容は次回に」というアポさえとれれば何の問題もありません。
なので「次回アポをとるためには何をすればいい?」というゴールから逆算して、初回の面談を設計することが重要になってきます。
しかし、「次回のアポイントをとる」ということがそんなに簡単ではありません。
はじめてお会いした人に、「またぜひ会いたい!」という気持ちになってもらわななければならないからです。
では、どうやったら「また会いたい」と思ってもらえるのか?
そのためには「信頼関係の構築」と「顧客のニーズを引き出す」という2つの要素が必須になります。
信頼関係の構築

人と人とが信頼関係を築くためには「共感・共鳴」が必要だと言われています。
初対面でいろいろ話していて、同じ出身地だった時に異常に親近感を感じて盛り上がるっていうシチュエーションありますよね?

私の地元は福井県なんですよー

え!マジですか!僕も福井出身ですよ!福井のどの辺ですか?

それは偶然ですね!私は実家が市内です

うわ!僕も市内です~!!市内のどのへんですか?
(地元トークでしばらく盛り上がる)
これが「共感・共鳴」です。
「共感・共鳴」を起こすためには「共通項」を探す作業が必要です。
趣味とか出身、身につけているものなど、何でもいいのですが、共通するものが見つかると、それだけで「共感・共鳴」が生まれてコミュニケーションが円滑に進むようになります。
とは言っても、名刺交換の後にいきなりプロフィールシートを見せても相手が戸惑ってしまうので、初めは少しアイスブレイクをして心を通わせた方がイイと思います。
アイスブレイクに関しては≫アイスブレイクで商談がスムーズに!【明日から使える具体例を紹介】という記事で紹介していますので、まだの方は読んでみてくださいね。

共通項を探す
普通に話しているだけだと共通項を探すのは難しいので、まずは「自己開示」をして相手に共通項を見つけてもらいましょう。
ビジネスの現場では、自己紹介で会社と名前くらいしか話さないと思うんですが、私は「自己紹介シート」をつくってガンガン自己開示することをススメています。
私も実践していて、具体的にどんなことを自己紹介シートに書いているかというと
- 社名、名前、出身地
- 資格
- 経歴
- 今の会社に入ったきっかけ
こういうことは当たり前に書いていますが、これ以外にも
- 飼っているペットの名前
- 昔ミニ四駆の大会で優勝しました
- 高校時代サッカー部で主将でした
- 筋トレが趣味です
みたいな感じで、一見するとかなりくだらないことも書いています。
これは、よりたくさんの情報を開示した方が共通項が見つかりやすいからです。
それに、こういう過去の経験や体験、プライベートなことの方が、興味をもってくれますし、相手の「共感・共鳴」を得やすいんですよ。
自己紹介シートは、A4の紙1枚に入りきる量で、写真や絵も載せてつくると楽しんで見てもらえるようになります。
私はこの自己紹介シートを新人営業マン時代から使っていて、口下手な私がお客様と距離を縮めるのにとても役立ってくれました。
自己紹介の時には、このシートに書いてある流れの通りに話せばいいだけですので、めちゃくちゃラクです。

お!サッカーやってたの!うちの小学校の子どもがやってるよ~

そうなんですか!休日はお子さんとサッカーされたりもするんですか?
プロフィールシートのどこかでお客様の反応があれば、そこを掘り下げるだけで、無理なく「共感・共鳴」を起こすことができ、顧客との心の距離がぐっと縮まります。
相手のことを知る
自己開示によって「共感・共鳴」が得られたら、より信頼関係を強くするために相手のことを知る必要があります。
なぜなら、人は自分に興味関心がある人を好きになりやすいからです。
恋愛で考えると分かりやすいので、私の中学生の頃の初恋の話を例に挙げますね。
私が中学2年生のころに、友人から突然「ミサキちゃん、お前のこと好きらしいぞ」ということを聞かされました。
ウブだった私は、その日からその子を見るたびに意識してしまうようになって、授業中でもチラチラ見て目が合ってはドキドキしていました。
そして、数週間後。
満を持して告白した結果「ゴメン、彼氏いるから」とあっさりフラれました。
この時に初めて女性の気持ちは変わりやすいのだと知りました。
カンペキな勝ち試合だと思っていただけに、恥ずかしいやら悲しいやらで登校拒否したいレベルでした。
「隕石でも降ってきて学校ぶっ壊れますように」と毎日祈りました。
それでも頑張ってフラれたコがいる教室に、毎日登校した自分をホメてあげたいです。
何が言いたかったかというと、自分のことを好きな人を、好きになりやすいということですね。
なので、「あなたのことに興味関心あります」というメッセージを相手に発信することが大事なんです。
相手への好意をアピールするためにも、相手に興味をもって色々と質問しましょう。
ただし、質問のやり方には注意が必要です。
あまりに質問攻めにしてしまうと、相手は身構えてしまいます。
質問ではなく詰問になってはいけません。
あくまでも自然な流れで会話を引き出していきます。
「あなたのことを知りたい」という気持ちを全面的に押し出して、遠慮なくどんどん聞きましょう。
こうすることで、あなたと顧客との信頼関係をより深くすることができるのです。
顧客のニーズを引き出す
次の面談のアポをとるためにはアポイントをとる口実が必要です。
いくら信頼関係が築けたからといって、何の用事もないのに「また会いましょう!」とはならないですからね。
面談の最後に「そういう話だったら聞いてみたい」と思ってもらうためのトークを組み込む必要があります。
人が何かを購入する時の心理は以下の通りです。
①現状に不安と不満を感じる
例「のど渇いた」
↓
②買いたいという欲求が生まれる
例「お茶買いたい」
↓
③決断する
例「お茶買おう」
↓
④購入する
例「お茶買う」
顧客のニーズである「のど渇いた」という状況を、営業マンが感じさせなければなりません。
顧客に対して「のど渇いた状態」をつくることができれば、そのあとは「その解決策がある」ということを伝えるだけで次のアポはとれます。

のど渇いたなぁ

あなたののどを潤すのにいいモノがありますよ

じゃ、そのハナシ聞かせて

では来週の月曜日はいかがですか?」
でも、ここで問題なのが、実際の営業の現場では「のどが渇いた」という自分のニーズに顧客自身が気づいていないということです。
よって、顧客に「のど渇いたなぁ」というニーズに気づいてもらうには効果的な質問をする必要があります。
車の営業マンの例で見ていきましょう。

現在は車をお持ちですか?

持ってます。国産の4WDです

なぜその車を選ばれたんですか?

週末キャンプに行ったりするんで大きくてパワーがある車がいいなと思って

キャンプは遠方まで行かれるんですか?

行くときはけっこう遠くまで行きます。この間は片道200キロくらい走ってましたね

けっこう遠くまで行かれるんですね。そうなるとけっこうガソリン代かかるんじゃないですか?

そうなんですよ~。燃費が悪すぎて妻にもチクチク言われてます

営業「そうなんですね。最近は4WDでも燃費のイイ車が出てきてるんですよ。

ざっとした計算ですが、年間で10万円程ガソリン代を節約できます

皆さん乗り換えられて、以前より家計がラクになったと喜んで頂いています

今後もキャンプに奥様と気持ちよく行って頂くためにも、いい機会ですので一度しっかりお話させてもらえませんか?

顧客「いいですよ」
営業マンが質問をしていく中で、顧客自身が気づいていなかった「燃費が悪い」というニーズを引き出して、そこに焦点を当てることでアポをとることができました。
このように、効果的な質問ができればニーズを引き出すことができるんですが、慣れていないと最初はけっこう難しいと思います。
ですので、この質問のバリエーションをあらかじめロールプレイングで練習したり「質問リスト」としてまとめるなどして自分の質問スキルを高めていきましょう。
≫ヒアリングは聴くだけじゃだめ!顧客の本当のニーズを引き出して成約率を上げる方法

まとめ
まとめると、アプローチで重要なのは
- 信頼関係を構築する
- ニーズを引き出す
という2つということです。
私は、このことを教わってすぐに何度もアプローチに臨みましたが、頭で分かったつもりでやってみても、実際には全然うまくいきませんでした笑
コツがつかめてきたのは10面談くらいしてからですかね。
ちなみに私は自分の商談をお客様に内緒で録音していました。
その録音を商談が終わった日の夜に聞き返しては、ひとりで反省会をしていました。
自分の話し方とか質問のしかたとかが客観的に評価ができるので、商談を録音することはおススメです。(法的にはNGかも)
私は今でもたまに自分の商談やセミナーを録音して聞き返しています。
ちなみに私はiphoneユーザーですが、既存のボイスレコーダーが使いにくいので「ボイスレコーダー」というアプリを使っています。
・バックグラウンド再生可能
・録音した音声を倍速での再生が可能
・Evernoteなど他のクラウドサービスに保存できる
iPhoneユーザーでボイスレコーダーで商談を録音するなら入れておいた方がいいと思います。
最初からうまくできる人なんていませんので、1回うまくいかなかったからと言ってあきらめずに、何度も挑戦しながらよりよい商談ができるように工夫していきましょう!
今回は「顧客と何を話せばいいかわからない!短時間で信頼関係を築くアプローチの原則」という内容でした!
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