
営業先でどんな話をしたらいいかイマイチ分からない。トークさえ良くなれば成績も上がるはず…顧客をぐっと引き付けられる話し方のコツがあれば知りたい。
こんな疑問に答えます。
営業は「人が、人に商品を売る」のですから、コミュニケーション能力が高ければ高いほど有利です。
ただ、売れる人=話すのが上手と思っているのであれば、それは間違いです。
なぜなら、顧客が求めているのは「営業マンとの楽しいおしゃべりの時間」ではなく、「自分の悩みや不満を解決する手段」だからです。
実は、優秀な営業マンほど「顧客に話をさせて」「ニーズを引き出す」ことが上手です。
成約率を上げるための話し方のコツは、顧客に「いかに気持ちよく話をさせるか」なんです。
今回は、顧客に気持ちよく話をさせて、「営業成績が劇的に上がる!顧客に信頼される話し方3つのコツ【決定版】」をご紹介します。
話し方で営業成績が上がるのは成約率が上がるから
営業での売り上げの方程式は以下の式で表されます。
- 成約率:スキルや知識など
- 単価:マーケット(顧客の財布の大きさ)
- 商談数:営業マンの活動量(マインド)
3つの要素のうち、どれかの数字を大きくすれば、売り上げが上がるということです。

話し方で変わるのは成約率ということですね!
単価は「誰に売るか?」によって大きく変わってきます。大学生の海外旅行と、30代後半の家族での海外旅行とでは、渡航費も現地で使う金額も大きく違いますよね。
もちろん、大きな予算をとれる人に営業した方が、売り上げは上がります。
商談数は、営業マンのやる気次第です。昨日の自分よりたくさん活動すればいいだけですからね。
「イマイチやる気が出ない…」という人は以下の記事も参考にしてみてくださいね。
ぶっちゃけ活動量は誰でもすぐに増やすことができるので、今回の話し方のコツよりも即効性があると思います。
≫営業マンがやる気が出ない時の3つの原因とその対処法【具体的に解説】

今回のテーマである「話し方のコツ」を知ることで、大きく変わってくるのは「成約率」です。
成約率とは、簡単にいうと「商談した中の何件が成約になっているか?」ということです。
10件商談して1件成約になれば成約率10%ですし、5件決まれば成約率50%ということになります。
成約率が上がると、少ない商談数でも売り上げをつくることができるので、営業活動がラクになります。
商談スキル=話すスキルですから、話し方の改善が営業マンのパフォーマンスそのもの。
成約率を上げて営業活動がラクにできるように、話し方のコツをみていきましょう。
成約率が上がる話し方とは?
話し方のコツは、自分が話さずに相手に話をさせること
前置きが長くなって申し訳ないですが、顧客の気持ちをグッと引き寄せて、成約率を上げるための話し方のコツは以下になります。
- 「話をきちんと聴いている」ということが相手に伝わるように話を聴く
- 適切な質問をして、相手にたくさん話をさせる

いや、それ聴き方ですやん!

そう言わずに話を聴いてください!
会話はキャッチボールですから、ボールを投げることと、ボールを受けることは一心同体です。
特に、営業の現場では、顧客自身に受け取る意志がなければ、こちらがどんなボールを投げても受け取ってもらえません。
なので、まずはボールを受け取ってもらえるような状況を作り出すことが大事になります。
では、どうやったら顧客がこちらのボールを受け取ってもらえるような状況を作り出すことができるのか?
その答えは、「顧客の話を聴く」ことなんですね。
とは言っても、コチラが黙っていても顧客が勝手に話してくれるワケではありませんから、簡単な質問をして話すきっかけをつくってあげる必要がありますが。
「顧客を引き付ける話し方のコツ」が「話さずに聴くこと」というのは何だか不思議な感じもしますが、これが事実なんです。
恋愛での会話で考えてみると分かりやすい
恋愛で考えてみましょう。
あなたは、気になる女の子に対して、自分に興味を持ってもらうためにどんな話をしますか?

俺はこんな車持ってるんだぜー!

俺はこんな趣味があるんだぜー!

俺はこんな女性がタイプなんだぜー!
こんな風に、自分のことばかり相手に伝えても、相手の女性は振り向いてくれませんよね?
普通は、相手のことを知ろうと色々と質問するんじゃないですかね。

出身どこなのー?

お休みの日は何してるのー?

どんな男性が好きなのー?
いくつか質問して、「へぇー!」とか「ほぉー!」とか言っていると、「で、あなたは?」という質問が返ってくるんですよね。
質問が返ってくるということは、自分への興味を持ってくれたということです。
営業も恋愛と同じで、顧客を振り向かせようと思ったら、相手にどんどん話をさせることが大事なんです。
話し方のコツ(話をさせるテクニック)
話し方(相手に話をさせる方法)のテクニックは、具体的には以下の3つです。
- うなずく
- 繰り返す
- 質問する
この3つさえ忠実に実践できれば、顧客に話をさせてバンバン情報を引き出すことが出来ます。
1.うなずく
顧客にたくさん話をしてもらうためには、「あなたの話を聴いてますよ」ということを、顧客に対して全力で発信する必要があります。
その、最も効果的な方法が「うなずく」という行為です。
メラビアンの法則を聞いたことがあるでしょうか?
話し手が聞き手に与える影響を数値化したもので
- 視覚情報(見た目) 55%
- 聴覚情報(声のトーンや抑揚) 38%
- 言語情報(話の内容) 7%
という内訳になっています。
ここから、しゃべっている内容ではなく、それ以外の要素がとても大切であるということが分かります。
なので、顧客に対して視覚的に「話を聴いてますよぉ~」というスタンスが伝わるように、分かりやすく深くうなずいてください。
時には「へぇ~」とか「ほぉー!」とかいう相槌も入れましょう。
「話を聴いてくれる」というスタンスが顧客に伝われば、気持ちよく話をしてくれるようになります。
2.繰り返す
「へぇ~」とか「ほぉー!」という相槌以外に、顧客が言ったことを繰り返すことでも、顧客に「話を聴いてますよ~」というスタンスを伝えられます。
「繰り返し」は、「相槌」や「うなずき」よりも高度なテクニックになります。
「NLP」という心理学では「バックトラッキング」と呼ばれており、3つのパターンがあります。
事実の繰り返し
一般的に「オウム返し」と呼ばれているものです。
相手が言ったことをそのまま相手に返します。

先週末は家族でキャンプに行ったんだ

家族でキャンプに!いいですね~

今度部下の結婚式でスピーチを頼まれて困ってるんだよ~

部下の方からスピーチを頼まれてるんですね!
部下の方から信頼されてらっしゃるんですね~
こんな感じで、相手が言ったことをそのまま繰り返します。
こうすることで、「あぁ、しっかり話を聴いてくれてるな」という印象を与えることができます。
感情の繰り返し
これは少し高度なテクニックになります。
相手が言った「感情」を相手に返します。

朝から部長に詰め寄られて、イヤになっちゃうよ~

それはイヤだったですねぇ…

娘が「お父さんの服と一緒に洗濯しないで!」って言われて、さみしい気持ちになったよ…

そんなこと娘さんから言われたらさみしいですよね…
感情を相手に返すことで「コイツは俺のこと分かってくれてる!」という「共感」を生むことが出来ます。
事実を返すよりも、相手との距離がぐっと縮まりやすいです。
要約の繰り返し
更に高度な繰り返しのテクニックが「要約」です。
相手が言ったことを簡潔にまとめて返します。

営業部の調子が悪いので今年は業績が厳しそうなんです。
そもそも営業部は年齢層も高いせいか、最新のシステムを導入しているのに全く使いこなせてないのも問題なんですよね。
もっと若い営業マンを採用すればいいのに…

若い営業マンを採用したら業績が上がるとお考えなんですね!

私が若いころは、バックパッカーとしてたくさんの国を回って見識を拡げようとしたもんですが…最近の若いヤツらはガッツがないよな。ちょっと怒鳴ったら、すぐに辞めるって言いだすし…困っちゃうよね。

若い社員の方のコントロールが難しいと考えてらっしゃるということですか?
相手が話した内容を聞き手が要約してまとめてあげることで、「そうそう!そういうこと!こいつ、メッチャ分かってるやん」という最上級の共感を生み出すことができます。
3.質問する
顧客に気持ちよく話してもらうためには、こちらから適切な質問を投げる必要があります。
優秀な営業マンは、雑談をしながら顧客から得たい情報を引き出すことがうまいです。
質問力が高い=営業力が高いと言っても過言ではありません。
例えば、車の営業マンであれば以下のような情報があると、スムーズに顧客のニーズを引き出すことが出来ます。
- 家族の情報
- 趣味の情報
- 金銭感覚
- ステータス重視か実用性重視か
- 休日の過ごし方
- 仕事内容
顧客の金銭感覚を聞き出すときにはこんな風に引き出します。

素敵なネクタイをされてますね!どこかのブランドのモノですか?

ブランドなんてとんでもない!2000円くらいの安物ですよ。

そうなんですね!でもお小遣い制の私には2000円でも悩んでしまう値段です…(笑)
○○さんもお小遣い制だったりするんですか?

うちもそうなんですよね~。カミさんにお金握られてると自由に買い物できないですよね~

ですよね~!じゃぁ何か買い物するときにはまず奥様に相談される感じなんですか?
- お小遣い制
- 奥さんが決済権を持っている
- 自由にお金を使いたい
何となく金銭感覚が分かりましたね。
普段自由にお金を使えない人は、「お金を使いたい」という気持ちを心のどこかに持っているので、大きな買い物のときには割と大胆にお金を使いがちです。
なので、提案の時には「予算をある程度とってくれるだろう」という予測も立てられます。
質問はあらかじめ予測して用意しておいた方がイイです。質問リストを作っておくことをおススメします。中身は「引き出す項目とそれに対する質問集」という感じですね。
そのリストをもとに、同僚とロールプレイをして練習しておきましょう。何度も口にしておくことで、現場で無意識に質問することができるようになりますよ。
成果を上げるには顧客に気持ちよく話してもらうこと
顧客に気持ちよく話してもらうことで、営業マンへの評価は無意識に上がりますし、たくさんの情報を聞き出すことで、顧客のニーズに合った提案をすることができます。
好意を持った営業マンから、自分にとって必要な提案をしてもらったら、顧客の予算さえ合えば提案が通る確率はかなり高いです。
営業で成果を上げるためには細かな会話のテクニックは必要ありません。
- 顧客にいかに気持ちよくなってもらうか?
- 商談に結び付く情報を引き出せるか?
この2点だけに集中して臨めば、必ず成約率が上がります。
顧客に気持ちよく話をしてもらって、成約率をバンバン上げていきましょうね。
質問力や顧客への質問力については以下の記事でも紹介していますので、ぜひ読んでみてくださいね。
≫ヒアリングは聴くだけじゃだめ!顧客の本当のニーズを引き出して成約率を上げる方法

今回は「営業成績が劇的に上がる!顧客に信頼される話し方3つのコツ【決定版】」という内容でした。
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