
営業に行っても顧客と上手に話せないんです…
営業の心をわしづかみにする話し方のコツを教えて!
こんな疑問に答えます。
デール・カーネギーの「人を動かす」という本をご存知ですか?
1936年が初版なので、もう80年以上も世界中のビジネスマンに読み継がれている名著です。
この本には、「良好な人間関係を築くためのコミュニケーションの原理原則」が書いてありまして、営業マンが話し方について学びたいならこの本1冊読めばOKというくらい、内容の濃い本です。
今回は、名著「人を動かす」から学ぶ、成果の出るコミュニケーションの方法について書きます。
「人を動かす」ってどんな本?
アメリカの作家デール・カーネギーによって書かれた本です。
元々は話し方教室の先生だったカーネギーは、子どもたちに授業をする中で「生徒にとって大事なのは、話し方ではなく対人関係の技術だ」と気づきます。
そして、適切な教材が見つからなかったので、自身でテキストをつくったことが「人を動かす」の始まりです。
内容は、「人間関係の原則」について、4つのPARTに分けて書いてあります。
- 人を動かす三原則
- 人に好かれる六原則
- 人を説得する十二原則
- 人を変える九原則
全部で30章の話からできており、そのすべてが実際のエピソードとして具体的に書かれています。
カーネギーの死後も読み続けられていることから、時代が変わっても普遍的な内容だと分かりますね。

デール・カーネギーも最初は中古車の営業だったんですよ!
人を動かす三原則
「人を動かす」の中でも根幹をなしている、「人を動かす三原則」さえ読めば、顧客とのかかわり方はグッと良くなるでしょう。
- 盗人にも五分の理を認める
- 重要観を持たせる
- 人の立場に身を置く
この三原則が営業活動でどう役立っていくのかをご紹介します。
人を動かす三原則:①盗人にも五分の理を認める
「人を動かす」は、こんな衝撃的な話から始まります。
受刑者のほとんどが、自分が正しいと思っている。
要は「誰でもみんな自分が正しいと思っている」ってことです。
自分が正しいと思ってやっていることを批判されたら誰だってムッとしますよね。
だから「相手の気持ちを尊重して批判や避難をしてはいけない」と書かれています。
例えば、顧客がガラケーを使っていたら

まだそんな古い携帯使ってるんですか!
早くスマホに替えた方がいいですよ!
と言いたくなりますよね。
しかし、それはただの批判であり、顧客との信頼関係の構築には良くありません。
顧客と人間関係を作りたいのであれば「顧客がなぜ、ガラケーを使い続けているのか」を尋ねて、顧客の気持ちを理解する配慮が必要です。
顧客を理解するために、興味関心を持って質問を投げかけて、顧客の話にしっかりと耳を傾けましょう。

相手に自分の価値観を押し付けるのはダメってことですね!
人を動かす三原則:②重要感を持たせる
人を動かす(動きたくなる気持ちにさせる)には、相手のほしがっているものを与えるのが、唯一の方法である。
脅しや罰で人を動かすことはできるかもしませんが、それでは意味がありません。
営業の現場でも、顧客の不安をあおってセールスしていると、顧客から紹介が出ずにマーケットが拡がらないケースが多く見られます。
大切なのは、「顧客がしてほしいと思っていることをしてあげる」ことで、顧客自らが「営業マンがしてほしいことをしてくれる」という状態をつくることです。
顧客がほしがっているモノとは何なのか?カーネギーはこう書いています。
人間の持つ性情で最も強いものは、他人に認められることを渇望する気持ちである
つまり、大切にされたいということです。
例えば、あなたがレストランに入った時に、店員さんが忙しそうにしており、しばらく何の対応もないまま入り口でほったらかしにされたらどんな気持ちになるでしょうか?
おそらく、ほとんどの人がイライラするのではないでしょうか。
「自分のことを大切にされていない」と思うから、その相手に対して嫌悪感を抱いてしまうんですね。
あなたの顧客も、心のどこかで「大切にされたい」と思っています。
なので、誠実にスピーディに対応したり、顧客に会うために身だしなみを整えたり、「あなたのことを大切に想っていますよ」ということを全身で伝えましょう。

それには、「名前を呼ぶ」と「イイところを見つけてホメる」が効果的ですよ!
名前を呼ぶ
誰にとっても自分の名前には特別な関心があります。
その名前を何度も呼んであげることで、「大切にされている」という気持ちは満たされます。
私は、必ず顧客を名前で呼びますし、なるべく顧客の家族の名前も覚えます。

息子さん、大きくなりましたか?
ではなく

太郎くん、大きくなりましたか?
という風に名前を出します。
誰しも、家族は自分の一部みたいなものなので、顧客はそれだけでも「大切にされている」と感じてくれるようです。
ホメる
ホメることも大事だと思います。この世にホメられて嫌がる人はいません。

いや、ホメられても嬉しそうじゃないこともあるよ!

それはホメられても嬉しくないことをホメたからですよ
なんでもかんでもホメればいいというワケではありません。お世辞なんて言わない方がイイです。
ホメる時のポイントは「相手の自己評価にピッタリ合うことを言ってあげること」です。
例えば、「若く見られること」に自信を持っているなら、それをホメる。ファッションに気を遣っているようだったら、身につけているモノについてホメる。
実際にホメてみないと、どんな反応するのか分からないことも多いので、色々と話をしていく中で経験を積んでいくといいと思います。

ちなみに私がホメられて一番嬉しいのは「イイ声ですね」です。どうでもいいですね。
人を動かす三原則:③人の立場に身を置く
成功に秘訣というものがあるとすれば、それは、他人の立場を理解し、自分の立場と同時に、他人の立場からも物事を見ることのできる能力である。
【自動車王 ヘンリー・フォード】
当ブログでは、売らなくても売れる営業手法について書いてまして、かみ砕いて言うと、「営業マンが売り込まなくても顧客が自ら欲しい!と手を挙げる」営業手法です。
顧客が自ら欲しい!と手を上げるためには、顧客が心から欲しいと望むことについて考えることが必要になります。
営業マン側の都合で、予算や購入するタイミングなどをコントロールしようとしても、顧客は逃げていってしまいますよね。
欲しい!買いたい!と強い欲求を感じさせるためにも、顧客の立場に立って物事を考えることが大切です。
顧客のために、どれだけ考えられるか?は営業の成果にも直結します。

「人を動かす」は繰り返し何度も読むべし
私が初めて「人を動かす」を読んでから10年以上経っていますが、今でも読むたびに新しい発見があります。
最初に読んだときには「へぇ~」くらいにしか思っていなかった部分でも、改めて読むと「なるほど!」となることが多いです。
これは、「人を動かす」に書かれていることが原理原則で普遍的なことなので、自分のステージが変わると響く部分が変わるからなのかもしれませんね。
カーネギー自身も何度も繰り返し読むことを推奨しています。
まずは速読せよ、何度も繰り返し読め、読むだけでなく時に立ち止まって考えよ、本に先を引いたりメモをしたりして刻み付けよ、実践できているかどうか定期的に自省してチェックせよ。
こんなにガッツリ読むのは難しいので、1年に1回くらい目を通すくらいでいいと思います。

環境が変わった時に読むのがおススメです!
本を読むのが苦手な人はマンガ版を読もう
ぶっちゃけ「人を動かす」は読みにくい本です。
英語で書かれた本の翻訳なので、回りくどい表現が多かったり、難しいカタい文章が多いです。なので、普段から本を読まない人は、マンガ版で読んでみることをおススメします。
私は、文庫本の「人を動かす」を買った後、あまり内容が入ってこなかったので、マンガ版を買って読みました。
その後に文庫本を読むと、スッと内容を理解できたので、マンガの分かりやすさを使わない手はないと思います。
本は1冊読むのに何時間もかかってしまいますが、マンガなら1時間もかからず読めますし、大事なことは全て書いてありますので、マンガが断然おススメです!
話し方はテクニックよりも心構えが大事
今回の内容をまとめておきます。
- 盗人にも五分の理を認める
- 重要観を持たせる
- 人の立場に身を置く
「人を動かす」の本で書かれていることは、営業やビジネスに特化して書かれているワケではありません。
人生において人間関係をよりよくしていくための原理原則として書かれています。
「人を動かす」を読んで実践できれば、成果が上がる以外にも、上司や部下との関係が良くなったり、家族間でのコミュニケーションが円滑にするのにも一役買ってくれます。
「人の悩みの90%以上は人間関係での悩み」と言われていますから、この本で解決できる悩みはたくさんあると思います。
営業マンとして、人間として成長したい方は、ぜひ読んでみてくださいね!
ちなみに、「他にも営業に役に立つ本を読みたい!」という方はこちらの記事でまとめていますので、そちらの記事も見てみてください。

今回は「話し方のコツは「人を動かす」が全部教えてくれた【営業マン必読】」という内容でした。
コメント