
どう考えても商品を買った方がいいのに、よくわからない理由で先延ばしにされる…
この商品がないと困るレベルなのになんで買ってくれないんだろう…
というあなたに書いています。
結論から言うと、人は必要なモノを買わずに、欲しいモノを買います。
どれだけ頭でその商品が必要だと分かっていても、心の中で欲しい!と思わなければ買いません。
体に悪いと分かっていてもタバコやお酒を止められないのと同じですね。
営業マンは顧客の脳に理解させるのではなく、顧客の心を揺り動かすことが大切です。
今回は、顧客は頭ではなく100%感情で購入する理由と、感情を動かしてセールスにつなげる方法について書いてみます。
- 人は理屈では買わない
- 人は100%感情でモノを買う
- 感情を揺り動かすには例話を使おう
人は理屈では動かない
人は理屈では動きません。
例えば、健康には運動が大切だということは誰でも分かっていますが、実際に運動をしている人は少ないです。
でも、オリンピックやワールドカップなどで、プロのアスリート達が輝く姿を見ていると、なぜか運動したくなって走ってみたりしたことはありませんか?
また、夏休みの宿題を「早く終わらせれば後は遊んで過ごせる」と分かっていても、結局あとまわしにして最後の2日間くらいでまとめて片付けていた経験はありませんか?
どちらも、頭では「こうした方がイイ」って理解しているはずなんですが、感情が動いていないがために行動に移せていません。
つまり、人は理屈では行動できないのです。
行動の原動力は感情
人が行動するための原動力となるのは「感情」です。
「行動したい」という感情さえあれば、たとえ自分にとって害があることだとしても行動に移してしまいます。
タバコやお酒、ギャンブルなどはいい例ですね。
心から好きでやっている人も一部いるとは思いますが、ほとんどの人は、多かれ少なかれ罪悪感を感じながら、お金と時間を投入しているのではないでしょうか。
多くの犯罪もそうです。頭では「人を傷つけてはいけない」と分かっていても、感情で行動してしまうんです。
人間は感情の動物ですので、感情さえ動けば行動に移してしまいますし、感情が動かなければ、自分の損得は関係なく行動できません。
私は、モチベーションが全く上がらずに、月の報酬が生活できないレベルにまで落ち込んだことがあります。
その時、同僚や上司から、助言をいただいたり、妻からもいろいろと言われたんですが、全くやる気がわいてこなかったんです。
頭では分かってたんですよ。やらなきゃって。
でも、どうしても行動に移す気になれませんでした。
そんな私が立ち直ったのは、「母が抗がん剤治療を始める」と聞いてからです。
今まで親孝行もロクに出来ていなかった私は、「このままだと親孝行できなくなるかもしれない!」と思い、「母に何かしてあげたい!」という気持ちになりました。
そして、私の家族(嫁と子)と私の両親での北海道旅行を企画してプレゼントしよう!と考えました。
そうなると、私が全て両行の代金を払うワケですから、そのお金を稼がなきゃなりませんので、以前のようにまたシャカリキに働きだし、無事に業績も回復しました。
私は母が抗がん剤治療を始めることを聴いて、「何としてでも母に親孝行をしてあげたい!」という感情が沸き起こり、今までの無気力感がウソだったかのように働きだしました。
自分の体験を通して、「人間は感情の動物である」ということを身をもって感じました。
顧客は100%感情で購入を決める
営業においても顧客は100%感情で、買うか買わないかを決定します。
なので、営業マンが顧客に対してどれだけ必要性を語っても無駄なんです。
フォーカスするべきは顧客の感情です。
顧客の感情を揺り動かすことで、顧客の「欲しい」という気持ちを掘り起こします。

そうは言っても具体的にどうすればいいの?
と思われるでしょうけど、大丈夫です。

ここから具体的な営業で使えるスキルをご紹介します!
感情に訴えるにはBefore→Afterがイチバン
RIZAPのCMを見たことがある人は多いでしょう。
有名人が回転テーブルに乗せられて、RIZAP前と後を比較しているCMです。
YouTubeで動画があったので見たことない人はどうぞ。
よく注意して観てほしいんですが、RIZAPのCMって、商品の説明や営業トークってありますかね?
CMの最後に「結果にコミット」って言うくらいで、あとはBefore→Afterの映像だけだと思います。
全くコトバは出てこないのにあのCMを見ると「RIZAPすげー」ってなりますよね。
そして、一部のカラダに悩みを持った層は、あのCMを見てRIZAPに駆け込むんです。
このRIZAPのCMがやっていることは、
ということです。
有名人のBefore→Afterを観て、

RIZAPに通ったら私でもこうなれるかも…
と感情に訴えることが目的なんです。
RIZAPはCMなので映像で顧客の感情に訴えることができますが、営業マンはそうもいきません。
なので、実際の営業の現場では、顧客の体験談や例話からBefore→Afterを伝えることになります。
分かりやすくするために、先ほどのRIZAPのCMを言語化してみましょう。
RIZAPのCMを言語化すると
現役を引退してメタボ体型だった赤井さん(ボクサー)が、たったの2か月で7キロの減量に成功しただけでなく、現役の時のようなシックパックをトレーニングで実現しました!もし痩せなかったら返金保証します!
という感じでしょうか。この体験談を3つに分解してみます。
- ターゲット
- 現状の不安や不満:Before
- 得られる利益(避けられる損失):After
RIZAPのCMでは、様々な芸能人が起用されています。
赤井さんのような「50代メタボな人」だけではなく、AKB48の峯岸みなみさんのような「美しくなりたい若い女性」や、チュートリアルの徳井さんのような「カッコよくなりたい男性」など、起用されている芸能人によってターゲットは様々です。
「お腹が出てみっともないカラダ」という感じでしょう。
カッコいいカラダになって、体を披露できるくらい自信を持てる。
顧客の感情を揺り動かすためには、この3つが入った例話を顧客に話せばイイわけです。
例えば、今あなたが読んでいるこの記事を分解すると
- ターゲット:顧客の感情に訴えられずに売れない営業マン
- 現状の不安・不満:顧客も必要性は分かっているようだけど買ってくれない
- 得られる利益(避けられる損失):顧客の感情を「例話」によって動かす方法を学ぶ
という感じですね。
私はあなたに何かを買ってほしいワケではありませんが、あなたの「正論を押し通しても売れない」という問題を解決したいと思って、この記事を書いています。
あなたの営業している商品と顧客のことを考えて、以上の3つの観点から体験談や例話を作ってみてください。
うまくいけば、例話で顧客の表情がハッと変わるのが分かると思います。
ぜひやってみてくださいね。
まとめ
まとめると
- 人は理屈では買わない
- 人は100%感情でモノを買う
- 感情を揺り動かすには例話を使おう
ということでした。
AIの進歩によってたくさんの仕事がなくなると言われていますが、私は営業という仕事はなくならないのではないかと考えています。
その理由は、人は感情を動かさないと買わないからです。
AIがどれだけ進化するのかは分かりませんが、人の感情を揺り動かすような話を、人の感情を揺り動かすように伝えることは、人でなければできないと思います。
逆に言うと、顧客の感情を揺り動かすスキルがない営業マンは、AIに仕事を奪われる可能性が高いです。
これからの時代に生き残れる営業マンを目指してスキルを磨きましょう!
顧客の心を揺り動かす例話ができたら、売り込まなくても売れる営業マンへの営業のキホンを学べる講座も読んでみてくださいね。

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