ルート営業って、「ルートを回っているだけでOK!」なんて思っていませんか?
確かに、既存の顧客を回るという意味ではその通りです。
ただ、
- 顧客から必要とされ
- 会社が納得する売り上げを上げ
- 楽しく営業活動を続けたい
という場合は、ただの顧客へのあいさつ回りだけでは不十分です。
なぜなら、放っておくと必ず顧客数は減っていきますし、ただ挨拶をして回るだけの営業マンから、ずっと商品を買ってくれるほど、景気のイイ世の中でもありません。
売り上げが下がっていくと、上司からのプレッシャーも強くなってきて、ストレスもかかってくるでしょう。
たくさんの企業の営業マンの中から、あなたが顧客に選ばれるためには「あなたから買う明確な理由」が必要です。
「あなたから買う明確な理由」さえつくることができれば、顧客から必要とされ、必然的に売り上げも上がっていきます。
こんなこと言うと難しく聴こえるかもしれませんが、大丈夫です。
ルート営業でうまくいくコツは2つしかありません。
今回は、ルート営業で顧客に必要とされながらノルマを達成し、楽しく営業を続けるための2つのコツについてご紹介します。
ルート営業とは
ルート営業の仕事は、大きく分けて2つあります。
- 今ある売り上げを「守る」
- 今より売り上げを「伸ばす」
ルート営業というと、売り上げを「守る」というイメージがありますが、「伸ばす」こともコツコツやっていかないと、確実に売り上げは下がってしまいます。
では、売り上げを「守る」のと「伸ばす」のでは、どんな動きが必要になるかを見ていきましょう。
今ある売り上げを「守る」ための活動
アフターフォローとメンテナンス
もし顧客が商品を買った後に、営業マンがほったらかしにしてると、他社の営業マンがどんどん営業をかけてきて、他社に乗り換えられてしまうかもしれませんよね。
そうならないように、顧客を維持する活動が必要です。
- 顧客の定期訪問
- ニュースレターやメルマガの発行
- 事例共有セミナーの開催
- スピーディな対応
- 不具合のメンテナンス
色々とありますが、とにかく顧客との関係性を保つためにたくさんの接点をつくることが重要になります。
売り上げを「伸ばす」ための活動
顧客を「守る」ための活動をどれだけやっても、顧客の減少は避けられません。なので、売り上げを「伸ばす」活動が必須になります。
ルート営業で売り上げを伸ばす方法は3つあります。
- アップセル
- クロスセル
- ルートの拡大
カンタンに、さらっと内容だけ見てみましょう。
アップセル
追加で商品を販売したり、よりステップアップした商品を販売することをアップセルといいます。
スマホの料金プランで、1GBのSプランを使っているユーザーに5GBのMプランをススメる感じです。
クロスセル
「ついで購入」や、関連性の高い別の商品の購入をススメることをクロスセルといいます。
マクドナルドで「ご一緒にポテトもいかがですか?」と言われたり、Amazonで「この商品を買った人はこんな商品も買っています」とススメてくる、アレのことですね。
ルートを拡げる
ルート営業にも、新規開拓は必須です。

え?ルート営業も新規営業しないといけないの!?

残念ながら営業マンは、新規開拓は避けて通れません!
新規開拓といっても、手当たり次第に飛び込みしまくれ!と言っているワケではありません。
飛び込みが得意な人はバリバリ飛び込むといいですが、ルートでの営業活動に慣れた営業マンは飛び込みが苦手な人は少なくないでしょう。
私は「死んでも飛び込みなんてやりたくない!」という人間なので、飛び込みが苦手な人の気持ちが痛いほど分かります。
なので、私がおススメするルート開拓法は「顧客からの紹介」になります。
この辺は、紹介営業のコツを全て紹介!一生見込み客に困らない紹介営業手法【台本つき】というページで、紹介について詳しく書いていますので読んでみてくださいね。

ルート営業の顧客は、基本的に商売をしている人や企業がメインになりますよね。
商売をしているということは、その関連企業や取引先がたくさんあります。
もしあなたが、顧客から必要とされる営業マンになることができれば、新規顧客を「既存顧客からの推薦」によって開拓できるようになります。
この紹介営業ができるようになったら、営業がラクになってストレスがぐっと減りますよ。
ルート営業で成果を出すための2つのコツ
売り上げを「守る」ことと「伸ばす」ことを分けて説明しましたが、実際の営業活動では、売り上げを「守りながら伸ばす」という感じになります。
売り上げを守りながら伸ばすためには、顧客との関係構築が最も重要になります。
ルート営業が目指すべき最終地点は

- アンタが言うんだったら買うよ
- 他よりちょっと高くてもアンタから買いたい
という状態を顧客との間に築くことです。

そんなの難しいっしょ
もちろん、顧客とすぐにこんな関係を築けるかというと、難しいと思います。
しかし、やるべきことをキチンとすれば、押しが弱かろうが、口ベタだろうが関係なく一定の成果を上げることが出来ます。
あなたが顧客から選ばれる営業マンになるためにするべきことは2つです。
- 情報収集
- 情報提供

え?たったこれだけ?
そうなんです。たったこれだけなんです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
情報収集
どんな情報を集めればいいのかと言うと「顧客にとって有益な情報」です。
常にアンテナを張って、顧客に必要な情報があれば、どこからでも集めてきます。
- 新聞や雑誌
- 業界紙
- 自分の顧客から聞いた話
- 自社の営業マンから聞いた話
- 映画
- CM
- 家族
- 趣味の場
- おばちゃんの井戸端会議
- インターネット
いくらでも情報源はあふれているので、情報を集めることには苦労しないと思います。
でも、ちょっとここで考えてほしいんですが、そもそも顧客にとって有益な情報って何でしょうか?
例えば、あなたが今担当している顧客で、最も売り上げが大きい顧客が求めている情報ってなんでしょう?
もし、ピンとくるものがあれば、あなたは顧客とのコミュニケーションは十分とれているのだと思います。
ピンとこない場合は、すぐに顧客のところへ行ってリサーチしましょう。
「何か今求めている情報ありますか?」と聞いてすんなり答えてもらえればいいですが、大抵の場合は、満足のいく答えは得られないと思います。
その場合は、営業マンが色々とヒアリングして、顧客が抱える問題点をあぶりだす必要があります。
顧客の問題点をあぶりだすヒアリングについてはヒアリングは聴くだけじゃだめ!顧客の本当のニーズを引き出して成約率を上げる方法という記事に書いていますので、そちらをご覧ください。

相手のニーズさえわかれば、それを解決できるような情報を集めるだけなので誰でもできますよね。
情報提供
顧客のニーズに合った情報を仕入れることができたら、後はそれを届けるだけなのですが、「どうやって届けるか」が営業マンの腕の見せ所です。
たくさん集めた情報を、取引先が受け取りやすいように編集して届けましょう。
高齢な方に届けるのであれば、紙媒体で直接会って話しながら届けるのがいいでしょうし、若い方に届けるのであれば、LINEやPDFで送ってもいいと思います。
私は、雑誌や業界紙、ニュースになっていること、法律の改正や制度の変更などを常にチェックして、定期的に顧客にニュースレターというカタチで発行しています。
それを持って

役に立つ情報をレポートにまとめたので、業界歴の長い○○さんにご意見いただきたいのですが、10分だけお時間いただけませんか?
という感じで顧客を立てながら、定期訪問のアポイントをとっています。
2回目以降は

いつものレポートに、また○○さんのご意見いただきたくて。前回頂いた意見を取り入れたらすごく反響がよかったので…
という感じだと顧客も喜んで時間をとってくれます。
顧客との関係性が出来上がっているところは、こんな回りくどいことしなくても、訪問できると思いますが、まだ関係が温まっていない顧客にはこの方法を使っています。
顧客の問題をあぶりだせば商品が売れる
すみません。「どうやったら売り上げがあがるか?」という大事なことを忘れていましたので書いておきます。
ずっと情報収集と情報提供を繰り返すわけなんですが、「顧客が求めているモノ」をヒアリングしていくと、自社の商品で解決できる問題がでてきます。
定期訪問によって、顧客との信頼関係ができていれば

それだったら弊社で○○という商品があるので、全部解決できますよ!

じゃぁ見積もりお願い
という流れが自然とできます。
顧客から見るとあなたは
定期的に足を運んでくれては、自社の状況や問題に耳を傾けてくれて、商品を売り込むワケでもなく役に立つ情報を届けてくれる営業マン
という風に映っていますので、あなたから買う以外に、選択肢がなくなってるんですよね。
更に、顧客の心理としては

いつも役立つ情報届けてもらってるから何かお返ししないとな…
という「返報性の法則」が効いて、「あなたのために何かしたい!」という心理になっています。
めちゃくちゃ鈍感な人でなければ、「営業マンの役に立つ=売り上げを立ててあげる」ということは分かるので、顧客自身が買えなければ、関連企業を紹介してくれる確率は高まります。
軽くまとめると、
- 情報収集と情報提供を繰り返すことで、
- 顧客との信頼関係を築き上げ
- 顧客から選ばれる状態をつくる
ということです。
他社の営業マンもやってるんじゃないの?
確かに、一部の優秀な営業マンはやっているかもしれません。
しかし、今のあなたと同じように、多くの営業マンが
- 定期訪問しても話すことがない
- 業者扱いされるので顧客から大事にされない
- ノルマがついてるけど、思うように売れない
という悩みを抱えながら活動しています。
それに、この情報はたくさんの営業マンが見ることができますが、実際に取り組む人はごくわずかです。
例えば100人の営業マンがこの情報を知ったとしましょう。
しかし、その中で実際に営業活動に取り入れて実践する人は20名程度です。
さらに、1年後もそれを継続している人は、4名程度です。
なので、安心してください。あなたが今から始めても、継続さえできれば、他の営業マンの手の届かない領域で仕事をすることができます。
ルート営業の2つのコツを継続するために必要なこと
継続できれば楽しく営業マンという仕事を続けることが出来ますが、ほとんどの人が継続できずにやめてしまいます。
継続するコツとして、私がやっている方法をご紹介します。
小さく始める
何かを始める時は、誰にでもできるくらいカンタンで小さなステップではじめると良いです。
なので、情報収集も情報提供も、初めからすべての取引先に行う必要はありません。
まずは、1か月のうちで3件だけ、意識して情報収集と情報提供を始めてみましょう。
毎月3件ずつのペースに慣れてきたら、少しずつ増やしていけばOKです。
最初の3件は、いずれもあなたが最も訪問しやすい顧客を選びましょう。
そこで得た小さな成功体験を、徐々に難易度の高い顧客へと試していきます。
仕組み化する
継続するために最も大切なのは、仕組み化です。
例えば、顧客が求めているモノを知るために「ヒアリングシート」を作って、あらかじめ質問項目を決めておき、そのシートを顧客ごとにファイリングしていくと効率的です。
私はEvernoteを使って顧客リストをつくっています。顧客の管理方法は、こちらの記事で紹介しています。

情報収集にも仕組み化を使っていて、業界紙は定期購読にして、新刊が出たら家に届くようになっています。
また、情報提供するためのレポートを作る日も「第1周目の水曜日の午後」とスケジュールを決めて動いています。
仕組み化することで、日々の忙しさの中でも忘れずに情報収集と情報提供を継続できるようになります。
自分にあった仕組みを考えてつくってみてくださいね。
ルート営業のコツは行動と継続がカギ
ぶっちゃけ、情報収集と情報提供を継続しても、売り上げはすぐには上がりません。
運やタイミングもあると思いますが、最低でも半年はやってみないと、何も変化は感じられないと思います。

なんだ、やっても効果ないじゃん
と、途中でやめてしまう人がほとんどです。
だからこそ、結果が出るまで継続してほしいと思っています。
もし、継続することができれば、1年もすれば違った世界が見えるはずです。
誰でもできることを誰もできないくらいにやる
これが成功するための秘訣だと思います。
ぜひ、顧客から選ばれる営業マンになるための第一歩を踏み出してみてくださいね!
今回は、ルート営業で顧客に必要とされながらノルマを達成し、楽しく営業を続けるための2つのコツという内容でした。
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