
上司からしつこく顧客を追いかけるように言われるけど、顧客から嫌われてしまいそう…
顧客から嫌がられないような付き合い方をしたい…
こんな人に向けて記事を書いています。
「しつこい営業=熱心な営業」だと勘違いして、しつこい営業スタイルを勧める管理職がまだいるようですね。
私の考えでは、顧客は営業が押せば押すほど離れていってしまうので、「絶対にしつこくない方がイイ」と思っています。
しかしその反面、しつこいセールスをかけて、顧客から契約をもぎ取ってくるスタイルで、成績が優秀な営業マンがいるのも事実です。
今回は、しつこいセールスがなぜ売れるのかを考えてみます。
しつこい営業とは
先日、妻と近所の中古マンションの内見に行った時の話です。
特に買うつもりはなかったのですが、近所で築10年ファミリーマンションの相場感を知りたかったので、リサーチも兼ねて行ったんですが、その時担当してくれた営業マンがすごくしつこかったんですよ。

マイホームを買うと、家賃手当が支給されなくなるのでかなりの値ごろ物件がない限りは買う気はない
ということを伝えたところ、

この物件はかなり手ごろなので検討した方がイイですよ!

今買わないと次にいつこんな好条件の物件が出てくるか分からないですよ!
と、2日に1度は営業の電話がかかってきてました。

全く割安感を感じないし、急いでないので連絡もらわなくても大丈夫ですよ。
と伝えても、

マルさん、50万円下がりましたのでどうですか!

もう1度部屋を見て検討してほしい!
とか、こちらの気持ちや都合はお構いなしの様子でした。
あまりにもしつこかったので、本社に電話して

あまりにしつこいのでもう○○さんに連絡しないように言ってください!謝罪の連絡も要りませんので、そうお伝えください!
と電話して、やっとおさまりました。
しつこい営業を受けて改めて感じたのは「しつこい営業マンからは絶対に買いたくない」ということでした。
しつこい営業と言っても、人によって定義が変わると思いますが、私が考えるしつこい営業とは
- 要らないと言っているのに営業してくる
- 何度断っても引き下がらない
- それどころか断るごとに燃えてくる
- 買い手のニーズではなく、売り手の理論を押し付けてくる
- 相手の気持ちを考えていない(か、分かってて無視している)
こんなところでしょうか。
先ほどの彼がしつこい営業スタイルで売れているとは思えませんが、業界歴は7年とのことだったので、販売実績がゼロということはないと思います。
私としては、なぜこんな営業マンから買ってしまうのかが不思議でならないのですが、買ってしまう人がいることは事実です。
なぜ、しつこい営業から顧客が商品を買ってしまうのかを考えてみましょう。
しつこい営業から買う理由
しつこさが熱心に見える
人は、接触頻度が高い人に好意を持つようになります。(ザイオンス効果)
なので、何度も電話で話したり、何度も顔を合わせているうちに、営業マンに好意をもつようになります。
最初は「しつこいなぁ」と思っていても、次第にそれが好意に変わっていくこともあるのかもしれません。
私の例の場合では、私が営業マンに対して初めから好意を持っていなかったので、初回の営業電話からどんどん気持ちが離れていってしまいました。
ですが、最初から好意を持っていたら、電話がかかってくるたびに「熱心な営業マンだな」と感じていたかもしれません。
そう考えると、最初の入り口で顧客の心を引き付けることができれば、しつこい営業でも売れてしまうのかもしれませんね。
押しに負けて折れてしまう
世の中には、断ることが出来ない人が一定数います。

そこまで言うならしょうがないなぁ…
と言って、住宅のような高額な商品まで買ってしまいます。
これ、ウソみたいな話なんですが、実際に私の友人にいます。
人生を左右するような何千万円もするような買い物でさえも、そんな風に買ってしまう人がいることが不思議でなりませんが、実際にそういう人はいます。
だからこそ、押しが強い営業マンが売れてしまうのだと思います。
自分で調べずに営業マンの言葉を鵜呑みにする(情弱)
これが圧倒的に多いと思っていて、これだけネットで情報をカンタンに得られる時代なのに、自分で調べずに営業マンの話すことをそのまま信頼してしまうケースが多いです。
これはおそらく、情報はいくらでも取ることはできるけど、情報が多すぎて自分に合っているモノがどれなのかが分からないことが原因だと思います。
「餅は餅屋」と言いますが、「業界の人が言うならそうなんだろう」と全てを任せてしまうのは少し危険もあるのかなと思います。
もし目の前の営業マンがプロとしてあなたに最適なモノを提案してくれてるならいいですが、私が出会った営業マンのように、自分本位で売りつけようとしてくる人も少なくはないです。
リサーチをしない顧客は、押しの強い営業マンにとっては”カモ”なので、そういった顧客にはしつこい営業が効果的なのかもしれませんね。
しつこい営業は先がない
しつこい営業スタイルで、バリバリに成果を上げているトップセールスは確かにいます。
ただ、私は営業という仕事を長く続けたければ、しつこい営業はやめた方がいいと考えています。
なぜなら、「顧客に愛されない」からです。
商品をゴリゴリに売り込まれた顧客は、

私は納得して商品を買ったけど、同じような営業を大切な家族や友人にされては困る
という気持ちになります。
どれだけ商品のことが気に入ろうとも、営業マンのことを紹介したくはならないのです。
顧客から紹介が出ない営業マンは、新しい顧客を見つけるために多くの時間や資金、体力を注ぐ必要があります。
最初のうちはいいのですが、しばらくすると

いつまでこんなことを続けるんだろう…
何年やっても営業がラクにならない…
こんな仕事のスタイルは若いうちしかできないな…
という先の見えない不安に襲われてきます。
一方で、顧客から愛されている営業マンは、顧客がとの信頼関係がバッチリ出来上がっているので、顧客も何かあれば営業マンに協力したいと思ってくれています。
顧客に愛される(=ファン化する)と、口コミ紹介でどんどん顧客が増えて営業がラクになっていきます。
先のことを考えると、しつこい営業はいいことはないと思います。
これからの時代はAIの進化で、顧客が営業マンからモノを買うこと必要性が薄まります。
営業マンとしての付加価値を提供できなければ、営業マンの未来はありません。
もし今しつこい営業スタイルに疑問を感じている人は、今からでも遅くはありません。
顧客に愛される「売り込まなくても売れる営業スタイル」を身につけましょう。
顧客に愛される営業をしよう!
営業マンにとって顧客は宝です。
これから商品を買ってくれる新規の顧客も大事ですが、既存の顧客との関係性をよくしていくことの方がもっと大事です。
そのためには、しつこい営業スタイルで顧客から嫌われている場合ではありません。
自分本位の一時的な利益を考えるのではなく、顧客本位の長期的な繁栄を見込める営業をしましょう。
今回は『しつこい営業マンが売れる理由!しつこい営業は営業マンと顧客を不幸にする』という内容でした。
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