実は私は強い営業が苦手です。
自分が営業するときもそうですし、営業をされる時もそうです。
なんか、こう「悪いなぁ」って思っちゃうんですよね。
お客様が明らかに買わない決断をしてるのに、No!を無理やりYes!に変えるために、色々と応酬話法を駆使して、お客様の心に負担をかけさせたりするわけですよ。
そもそも自分がされたくないことを、人にするってのも気が引けるじゃないですか。
もちろんその方法ですごい業績を上げている営業マンもたくさん知っていますよ。
でも、私は極力やりたくない。
どうせなら、お客様に気持ちよく買ってほしいので、無理な営業は絶対しません。
じゃぁ、私があんまり営業成績が良くないか?といったら、どちらかと言えばその逆で売れている方だと思います。
ガツガツ提案するわけでもなく、前のめりにクロージングをかけるわけでもない私が売れ続けている理由。
それは、私がマーケティング理論を学んで、「プッシュ型セールス」を徹底的に排除して「プル型セールス」に徹底してこだわっているからなんです。
・プル型=売れる、買ってくれる
つまり、売らなくても売れる仕組みを徹底して考えて実践しているので、今のところノンストレスで営業できています。
今回は私のように、強く営業をかけることに抵抗を感じてしまう優しい営業マンに向けて、私が実践しているマーケティングの考え方を書きます。
「売る」時代はとうの昔に終わっている
そもそも営業の仕事って何でしょうか。
私の中での営業の仕事とは「お客様の問題を解決すること」です。かんたんに言うと、困っている人を助けるって感じですかね。
例えば、目の前に傷だらけの人が倒れていて、医者であるあなたが近寄って行って

「私は医者です。あなたの傷を手当てしましょうか?」
と尋ねると、その人はなんと答えるでしょうか?
「治療費はいくらですか?」とか「他のお医者さんに相見積もりとってみます」なんて絶対言われないと思いませんか?おそらく「お願いします」って即答されますよね。
つまり、自分の問題が明確で、それを解決する人が目の前に現れたら、喜んで商品やサービスを購入するってことですよね。
私はこの
- 困っている人・欲しい人を見つける
- その人の困りごとを解決できるということを伝える
- 実際に解決策を提示して解決してあげる
というマーケティングの基本とも言える考え方を営業活動の中で愚直に実践しています。
そのおかげで、成約率80%を超えており(10人会えば8人買う)、成約率が高いため営業のムダ打ちがなくなり、一般の営業マンの半分の稼働でも一定水準の業績をキープできています。
このインターネットが普及して、スマホを開けばなんでも手に入る時代に、お客様が欲しくもないモノをゴリ押ししたって売れるわけないですよね。
特に最近はお客様の方が営業マンより商品や業界に詳しいこともありますし。
「100件電話して1件アポとれるなら、1000件電話して10件アポとるぞ!」みたいな古臭いことしてたら、そんな単純作業は外国人の出稼ぎ労働者やAIにかんたんにとって代わられてしまいます。

ただのセールスマン・ただの営業マンは今の時代、すでにオワコンです。
顧客が欲しいのは商品ではない
私の営業は、困っている人・欲しい人を見つけることから始まりますが、ここで勘違いしないでほしいことがあります。
それは、お客様が欲しいのは「商品」ではなく、「商品がお客様にもたらす利益(ベネフィット)」だということです。
マーケティングの世界で有名な本に、『ドリルを売るなら穴を売れ』という本があります。
これは、顧客が求めているのはドリルそのものではなく、穴を空けることであるという、商品とベネフィットの関係性を分かりやすく表した言葉です。
例えば、先ほどの医者の例では、患者が欲しいモノは「治療」ではなく「健康なカラダ」です。
あなたから治療を受けずに他の方法でも健康なカラダを手に入れることができるならその手段は「治療」でなくてもいいわけですね。
理解できますかね?
イマイチ分からないという方のためにもう一つ例を。
「強い営業がかけられなくて成績が伸び悩んでいる営業マン」がいたとして、この営業マンの欲しいモノって何でしょうか?
「マーケティングの知識」ですか? 違いますよね。「営業成績が伸びること」ですよね。
営業成績が伸びさえすれば、どんな方法でもいいんですよね。
ここまでお話しするともうお分かりですよね。
あなたの商品がお客様にもたらす「利益」を徹底的に考えることで、顧客が求めているモノが明確に見えてきます。
あなたが最も価値を提供できるのはどんな人?
あなたが営業する商品やサービスを購入すると、最も価値が高く評価してくれる顧客はどんな人でしょうか?
言い換えると、あなたの商品やサービスの話をすると、「すぐにでも欲しい!」と言う顧客はどんな人ですか?
マーケティングの基本は、必要な人に必要なモノを届けることです。
あなたの商品やサービスを必要としている人が誰かが明確でないと、どこで誰に販売すれば良いのかが分かりません。
なので、理想の顧客像を明確にしておくことが大切になってきます。
ちなみに、理想の顧客像をあなたの商品が持つ価値に合ったモノに変えるだけで売り上げは大きく変わってきます。
たとえば、「海苔を千切りにするハサミ」として開発された商品があります。
この商品の理想顧客は料理をする主婦でした。
しかし、この商品はほとんど需要がありませんでした。
しかし、このハサミは理想顧客を「個人情報を漏らすことに不安がある人」に変えただけで「シュレッダー用ハサミ」として爆発的にヒットしました。
商品が提供できる価値を、その商品の価値を最大限に感じてもらえる人に届けた好例です。
あなたの商品を欲しい!と心から感じてくれる顧客はどんな人でしょうか?
あなたの商品が持つ特性から考えてみてください。
魚のいない池で魚は釣れない
理想の顧客像が決まったら、次にその顧客がどこにいるかを考えます。
医者であれば病院があるので、問題を抱えた患者さんが向こうから集まってくれますが、私たち営業マンは、移動型店舗のようなものなので、待っているだけでは理想の顧客は集まってくれません。
例えばあなたが結婚式場の営業マンだったとして、これから式を挙げるカップルを自社に呼び込みたいとします。
ではこの場合の理想の顧客である「これから式を挙げるカップル」がどこにいるのかを考えてみましょう。
・結婚情報誌(を見ている)
・高級割烹(両家顔合わせ)
・不動産仲介(新居)
・家具(新居)
・旅行会社(新婚旅行・海外挙式)
・結婚情報サイト(私の奥さんが超見てました)
ざっとこんな感じでしょうか。
そして、この理想の顧客がいる場所で顧客との接点を持つことができれば、理想の顧客があなたの商品にたどり着く可能性がぐんと高まります。

「え?でもジュエリー店とか不動産屋さんとかで営業なんてできないでしょ?」
と思う人もいるでしょう。
この場合、あなたが営業するのは「これから式を挙げるカップル」に対してではなく、「そのカップルが多く訪れる場所の実権を握っているキーマン」に対してです。
つまり、私がやっている営業は魚を追いかけて行って1匹ずつ釣りあげるのではなく、魚がたくさん来る場所(市場:マーケット)に網を仕掛けて待っているというイメージなんです。
では、ここからは具体的な営業方法をお伝えしますね!
マインドシェアをとる
マインドシェアとは、顧客の脳内を占めている企業や商品の割合のことです。
って言われても分かりづらいと思うので例を挙げます。
例えば、
・スマホと言えば?→iPhone
・日本車と言えば?→TOYOTA
のように、「○○と言えば?」の問いに対して真っ先に頭に浮かぶものが、実際の市場のシェアでも1番をとっていますのが分かると思います。
このように、マインドシェア=マーケットシェアと言われており、「○○と言えば?」と聞かれて一番最初に出てくるものが市場のシェアをとっていると言われています。
○○と言えば?で、キーマンの脳内で私の名前と顔が一番最初に浮かぶように、マインドシェアを高めていくことが私の営業活動の基本になっています。
キーマンのマインドシェアをとることができれば、キーマンの目の前に私の理想の顧客が現れた時に、パッと私の名前が浮かんで、私に紹介をしてくれるようになります。
マインドシェアを高めるためにいくつかポイントがあるのでお伝えしておきます。
①キラーフレーズをつくる(ポジショニング)
マインドシェアをとるためには、私の仕事の専門性(ポジショニング)がキーマンに明確に伝わっていなければなりません。
例えば、あなたがガン患者に対してピッタリの医者を紹介する仕事をしていて「大腸ガン」の患者が相談に来たとします。
その時、あなたが知っている医者2人の中でどちらを選びますか?
A:ガンの専門医
B:大腸ガンの専門医
答えは簡単ですね。もちろんBですよね。
この例で言いたいのは専門性をはっきりさせることで選ばれやすくなるってことです。
これをもっと突き詰めていくと「内視鏡を使った腹腔鏡手術で大腸ガンを治療する専門医」という風に専門性が研ぎ澄まされていきます。
ここまで専門性が研ぎ澄まされれば、適した患者を真っ先に紹介してもらえるようになりますしあなた以外を選ぶ理由がなくなります。
専門分野が明確に絞られてくると、「少々高くても行列に並んででもあなたから買いたい!」という状態をつくることができます。
先ほどの結婚式場の例でいうと、
という風に専門分野を絞っていたらどうでしょう?
資金に不安があるカップルに紹介してあげたら喜ばれそうじゃないですか?
それに、そのカップルも「ぜひ話聞きたいです!」ってなりそうじゃないですか?
要は、
っていうキラーフレーズをキーマンにしゃべってもらえるようになればいいってわけです。
②単純接触を繰り返す
キラーフレーズができれば、それだけでもかなり効果を発揮するんですが、キーマンもあなたのことを四六時中考えているわけではないので時間とともに忘れていってしまいます。
そこで、繰り返し繰り返しあなたのことを思い出してもらう機会をつくる必要があります。
例えば、はがきを送ったりLINEで情報提供したり、何でもいいんですが、とにかく定期的に接触をとりつづけます。
人間は、会う時間の長さよりも会う回数に対して親密度が上がります。
ザイオンス効果とも呼ばれますが1か月に1度2時間過ごすよりも、毎日5分だけでも顔を合わせた方が親密になれるということですね。
単純接触を繰り返すことで、キーマンのあなたへのマインドシェアは格段に上がり、例え同業他社との付き合いがあったとしてもあなたが選ばれるようになっていきます。
私の営業活動
今回の話をまとめると
- 優しい営業マンはマーケティングを学ぼう
- 顧客が欲しいのは商品ではなくて利益
- 理想の顧客がいる場所のキーマンに営業する
- キラーフレーズと単純接触でキーマンのマインドシェアを高める
という内容でした。
私が行っているマーケティング戦略のことがなんとなく分かって頂けたと思いますが、最後に私の具体的な活動について触れておきます。
私の営業活動は20%がキーマンとの接点づくりで、残りの80%が顧客との面談の時間になっています。
今回偉そうにマーケティング理論を振りかざして書きましたが、こうなるまでにはもの凄い数の失敗をしてきましたし、マーケティングについて学ぶ前は活動の比率が真逆でした。
活動の80%が新たな見込み客を探して街を徘徊してやっとの思いでアポイントをとり、残りの20%でそのアポイントをこなしていました。
でも、そんな活動をしていると

数少ないアポなので絶対決めよう!
と思って無理なクロージングでお客様に負担をかけたりしちゃうんですよね。
そんな自分をとにかく変えたかったし、お客様に喜んでもらえるような営業マンになりたかったんです。
だから、「自分にもお客様にもいちばん負担がない方法ってないのかな~?」って探し求めた結果、たまたま自分にしっくりくる方法に出会えたんです。
あの時、本気で悩んで考えて苦しんで…ホントによかったなと今は思います。
私のように、強い営業が苦手な営業マンは、ぜひマーケティングを学んで、お客様に価値を届けて喜ばれる営業マンを目指しましょう!
最後に、私がマーケティングを学ぶ上でもの凄く参考になったバイブルを紹介しておきますね!
参考書籍(マーケティングのバイブル)
圧倒的にコミック版がおススメです。
漫画があるだけで事例として頭に入ってきやすいです。
大切なのは学び方ではなく身につくかどうかです!
3巻までありますので、ぜひ読んでみてください!
※ちなみにこの本以外に買う必要はないと思います。営業マンが実用レベルで使えるマーケティングの理論は全て載っています。
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悩んでる人のヒントになれればと思います♪